相続手続きの流れ
遺産相続というと多くの方は、相続税の申告や土地・建物の名義変更、預貯金の名義変更(払い出し)、などに目がいってしまいがちですが、実際にやらなくてはいけない事はそれだけではありません。実際に、相続手続きには20~30時間かかってしまいます。ここでは、全体の流れについて確認していきましょう!
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相続人調査
関係図作成
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相続財産調査
財産目録作成
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遺産分割協議
相続開始の段階で相続税がいくらかどうかは、分かりません。まずは、相続税が発生する方も発生しない方も上記のように、相続手続きを進めなくてはいけないのです。最近では、相続を「争族」と、文字って親族でのトラブルが多いことを揶揄するような表現も時々聞かれますが、こうしたトラブルの多くは、正しい法律の手続や財産調査や評価を無視して勝手な相続を行った場合、結果的に多く発生してしまうものなのです。
相続手続きの流れ
ここでは、相続の流れを下記の一覧を使ってご紹介したいと思います。相続は被相続人(=相続される人)が亡くなったときから開始されます。相続については、民法で細かい規定が定められていますが、実際は被相続人や相続人の意見を尊重することを優先して考えられています。このため、遺言書の有無や相続人全体の話し合いを重視しており、これによって相続の手続きも変わってきます。以下は、相続手続き全体の流れを、わかりやすく図にしたものです。まずは、相続全体の流れをしっかりと掴みましょう!
順 | 相続の流れ | 注意点 |
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1 | 被相続人の死亡(相続開始)葬儀の準備・死亡届の提出 | 死亡届は7日以内に提出 |
お葬式 | ||
2 | 初七日法要遺言書の有無を確認 | 遺言書は必ず家庭裁判所の検認後に開封 |
3 | 四十九日法要相続財産・債務の概略調査 | 相続放棄・限定承認の検討 |
4 | 相続放棄・限定承認(3ヶ月以内)相続人の確認 | 戸籍の取り寄せ・相続関係図を作成 |
5 | 所得税の申告と納付(4ヶ月以内)相続財産・債務の調査相続財産の評価 | 相続財産目録の作成 |
6 | 遺産分割協議遺産分割協議書の作成 | 相続人全員の実印と印鑑証明 |
7 | 遺産相続の開始各種名義変更の書類作成・提出 | 自動車・現預金・不動産などの名義変更や登記申請 |
8 | 相続税の検討相続税の納付(10ヶ月以内) | 納税方法(延納・物納)の検討被相続人死亡時の税務署に申告 |
一定期間の間にしっかりと手続きを進めないと、知らなかったでは済まされない失敗をしてしまう事にもなりかねません。相続手続の中には、いろいろな所に落とし穴がありますから、できれば専門家のアドバイスを受けられることをお勧めいたします。
相続の専門家とは
相続が発生したら、様々な手続きについて、いったい誰に相談すればよいのでしょうか?ここでは、どの専門家に相談するのが最もかしこい選択になるのかを見ていきます。是非、それぞれの 『相続の専門家』 を比較してみて、「誰に相談・依頼すればいいのか・・・?」の悩みを解決していただければと思います。
司法書士 | 行政書士 | 税理士 | |
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対象顧客 | 全般 | 全般 | 相続税が発生する方が対象 |
対応領域 |
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関与度合い |
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国家資格者一覧
司法書士
司法書士の主な業務は、相続不動産の名義変更です。中でも、相続を原因とする不動産の名義変更登記は、司法書士にとって最も多く取り扱う業務です。また、民法や家事審判手続にも精通していますので、相続放棄や遺産分割調停の申立書の作成代行も得意分野としています。また、会社法にも精通していますので、事業承継がらみの相続案件の処理も多くこなしています。
行政書士
行政書士のメイン業務は許認可の申請代行ですが、相続においては遺産分割協議書の作成をすることも主たる業務になります。特に、遺産に不動産が含まれていない場合や争いのない場合の遺産分割協議書の作成を得意分野としています。従って、当事務所のように司法書士と行政書士の両方の資格を有する事務所は、相続手続きに関して総合的なサポート業務を遂行することができるのです。そして、税務・相続財産評価に関する分野は、税理士並びに不動産鑑定士が専門ですが、当事務所と提携している相続税に詳しい税理士並びに不動産鑑定士が責任を持って対応いたしますので、どうぞ安心して当事務所にご用命ください。
税理士
税理士は、税務に関する専門家です。相続税がかかるような場合は、必ずと言っていいほど税理士に相続税の計算・申告を依頼します。しかし、現在の相続税法において、相続税が発生するケースは全体の4~5%です。それは、「相続税」の個所で説明するように、基礎控除の額がかなり大きいからです。また、税理士は、税務に関するコンサルティングも行っていますので、生前に相続税のシュミレーションをしたり、どのような遺言をして財産を相続させた方が有利か、あるいはどのような遺産分割協議をすれば得であるかなどのアドバイスを受けることができます。しかし、税理士は普段中小企業や個人事業者の会計や税務申告を行っており、相続税に関する仕事はたまに発生することなので、相続税に詳しい税理士に依頼することが大事です。
不動産鑑定士
自宅が建っている土地、更地、他人に貸している土地、農地、山林、住宅、賃貸ビルなど不動産は様々な形で存在していますが、遺産の中に不動産がある場合、その不動産の適正な評価をすることはかなり厄介なことです。不動産の評価をしてくれる専門家が不動産鑑定士で客観的な価額を計算してくれます。その金額は税金や遺産分割の問題を検討するときの貴重な資料となります。
弁護士
弁護士のメイン業務は、やはり訴訟、裁判などの争いの場面です。遺産相続がもめてしまった場合は、弁護士を代理人に立て関係者と交渉したり、裁判所での手続を代理してもらうことができます。相続が「争続」となってしまったら弁護士の出番です。信頼できる弁護士をお探しの方は、当事務所にご照会ください。 当事務所では、司法書士・行政書士以外の分野の業務について、当事務所の協力先の優秀な国家資格者・専門家が責任を持って対応いたしますので、どうぞ安心して当事務所にご用命ください。